MAZE[メイズ] 恩田陸

3月18日読了
★★★★☆
恩田さんの小説には、いつも想像力を掻き立てられる“余白”みたいなものがあって、読者はとても気持ち良く物語に浸ることができます。浸っていると、その気持ちを上手にゆさぶって、不安定な状態にさせます。心象的な幻想的な物語だと思っていると、ふいっとリアルな世界に横滑りしたり、また戻したり。それが、なんとも心地よい酩酊感になります。
この作品も、そんな恩田作品の特徴が出ている、良質なミステリ小品でした。