日本合唱曲全集 クレーの絵本 / 三善晃作品集4

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    日本合唱曲全集 クレーの絵本 / 三善晃作品集4

    高校の頃、戸川純さんが自身のアルバム「詩人の家」で、谷川俊太郎の詩を朗読していたのを聴いて、以来、谷川俊太郎は私の中で特別な詩人になりました。
    どちらかというと、それまで読書はすれど詩集なんて殆ど買ったことはなかったのですが、それ以来数年、詩集も買うようになりました。最近買わないところをみると、私はそれほど詩が好きな体質ではないようなのですが、それでもあの頃買い求めていたのは、一種の熱病みたいなものだったのでしょうか。それほど「詩人の家」の戸川さんの朗読は凄かった。朗読にBGMがピタッと合っていました。(そういえばサティに初めて触れたのも、このアルバム)
    私は高校で合唱をしていたのですが、その時から歌いたくて仕方がなかったのが、このアルバムに収められている「地球へのピクニック」。最初に戸川さんのイメージが出来てしまってから、この合唱曲を聴いたので、合唱側はかなり不利といえば不利なのですが、やっぱり違和感が残ってしまい、詩を合唱で表現しても単なる朗読に負けるのではなかろうか、合唱という行為は、詩の表現という面では不自然な行為なのでは、という変な感想持ってしまいました。それでも、なぜだかこの合唱曲はずっと気になる、歌いたくて仕方ないのは、詩もさることながら、谷川俊太郎という人の詩に三善晃の曲がマッチしているから、なのでしょうね。難解でポップでコケオドシのようで断片的で閃きのような瞬間があって。やはり、このアルバムに収められている「クレーの絵本」と同じく、天才の結晶のような作品です。