ヘーメラーの千里眼 (上)(下)  松岡圭祐

4月28日読了
★★★★☆
おそらく、松岡さんの中でもずっと暖めてきた物語だと思います。機が熟して、自然に産み落とされた作品です。今までの千里眼シリーズはどちらかというと小学生に照準を絞った、大人も楽しめる小説といった感じだったのですが、この小説に関しては、大人向け小説で、かつ小学生でも楽しめるといった感じでした。幼稚なレトリックや安っぽい正義感は影を潜め、等身大の人物像で岬美由紀が動き回っていました。松岡さんの転換期となる作品かもしれません。